第15回京都民医連看護・介護学会

 看護師として働き始め40年近くになります。長いキャリアのなかで1年以上も新型コロナウイルス感染拡大に悩まされるとは想像もしていませんでした。それは私だけでなく世界中のあらゆる国の人々が未知のウイルスの脅威に怯えながら日常生活を過ごすことになりました。マスクの着用、手洗いの励行、黙食、テレワーク、時短営業等々私たちの日常生活は一変してしまいました。

 1回目の緊急事態宣言から約一年が経過した今、3回目の緊急事態宣言が発出されています。一年前とは異なり、第4波では感染力の強い変異株が急速に拡がり、新型コロナウィルス感染症の受け入れ病床は逼迫しています。近畿でも、介護施設内でのクラスターが増加し、感染した高齢者が適切な医療を受けられないまま施設内に留め置きされ、亡くなるケースが多発しています。「救える命も救えない」「命が選別されている」この現実に多くの医療現場が悲鳴を挙げています。

ワクチン接種は開始されましたが、高齢者接種を7月末までに完了するいう菅首相の報道に自治体は混乱しIT手段を持たない高齢者はワクチン接種の申し込みが出来ないなど政策の不十分さを露呈しています。更にオリンピック・パラリンピック開催に固執し、選手の皆さんにも苦しい思いをさせています。新型コロナウィルスの収束目途も立たないなかでも、私たちは患者・利用者と真摯に向き合い医療 看護の提供を止めることはできません。

2021年9月23日(祝)に第15回京都民医連看護・介護学会を開催します。

テーマは『命と絆を支えるケアの多様性と創意工夫~今こそ未来へつなごう、民医連の看護介護研究~』です。ケアの質向上と京都民医連の看護・介護を発信するという目的とともに、この一年間コロナ禍で悪戦苦闘してきた皆さんが、患者や利用者、ご家族と向き合う中で私たちはどんな経験をして何を学んだのかを未来に伝える役割も持つ学会となります。

今回、はじめてのWeb開催に取り組みます。対面での意見交流は制限されますが、たくさんの“命と絆を支えるケア”の実践報告を聴き、たくさん学んで明日への活力にしていきましょう。

京都民医連 看護委員会委員長

寺尾正子