奨学金ガイド

医学生のみなさまへ

奨学生になりませんか?

京都民主医療機関連合会では、将来地域に根ざした民医連の医療を担う意志を持った学生が、より幅広い視野を育て、人間性豊かな医師として成長できるように、経済的にも援助を行う為の奨学金制度を設けています。

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医学部を目指す高校生や受験生の親御さんに向けた特別号を作りました。
私たち民医連がどのように医学生、医師として成長してほしいと思っているか、そのための研修や奨学金制度の紹介をさせていただきます。
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奨学金制度の概要

申請資格 医学部に在学中(入学予定)で、将来民医連で働く意志のある学生。
貸与月額 1・2年次 5万円
3・4年次 6万円
5・6年次 7万円
返済免除 卒業後、奨学金貸与期間と同月数勤務した場合、下記の計算に基づいて返済が免除されます。ただし初期研修を修了されなかった場合は、全額返済していただきます。
詳しい制度はお問い合わせください。

償還金額=貸与金額/貸与月数×(貸与月数-就労月数)
返済方法 卒業後、奨学金貸与期間と同月数勤務しなかった場合、原則として一括返済です。
困難な場合は、分割返済を申し出ることが出来ます。その際は年5%の利息を付して返済していただきます。
問い合わせ・資料請求先 Tel:075-323-7961

2024春 医学部奨学金説明会

医学生、高校生、受験生いずれでもご参加できます。
ご家族と一緒でもOK!

日時

2024年3月16日(土)14:00~
2024年3月27日(水)14:00~
各回1時間程度

場所

京都民医連医学生センターまたはZoom

対象

医学生・高校生・受験生 ※ご家族と一緒でもOK

締切

各回2日前

奨学生活動

季節ごとの長期休暇に奨学生が集まる機会をつくっています。民医連の医療観や実践を学ぶとともに、将来一緒に働く仲間どうしで「どんな医師になりたいか」や「これからの医療」について考えるなどしています。 又、社会に起こるさまざまな事柄を医療者の視点で捉えなおし、医者としてどう見るか、どう考えるか、何ができるかなど学びを深めています。

『出生前診断、優生学、障がい者医療・・・命について考える』『TPPを学ぼう~医療分野にどう現れるか~』『生活保護制度について~MSWの目で患者さんをみる~』『水俣病から考える医療の在り方』etc..

※他にも様々な取り組みをしています。「医学生向け企画」のページをご覧ください。

奨学生の声

自分達の学びたいことを学ぶ奨学生活動

李展世 京都府立医科大学6年生

私は1年生の頃から、他大学医学部の先輩から「民医連の学習会が面白い」と話を聞いていて、「どんな医療機関なのかな」と関心を持っていました。その後京都民医連あすかい病院で実習する機会があり、ここだ!と思って3年生春に奨学金を申請し、奨学生となりました。

奨学生になって一番良かったことは、社会のことを勉強できたこと、それも全国の仲間と一緒に学べたことです。学術的なことは大学の先生方に教わればよいのですが、社会に関わることとなると授業も限られ、自分も学友も互いに詳しくないので…。

でも、民医連では大人も学生の議論に真剣に付き合ってくれ、勉強会では弁護士など専門家まで呼んでもらえました。学習テーマも自分達学生が「やりたい」と言ったことを学ばせてもらえました。

奨学生会議では他の大学に所属する京都民医連の奨学生同士で、全国規模の「つどい」や「みんフェス」では全日本民医連各県の仲間と交流できました。似た関心を持つもの同士、同じ熱量をもって真剣に議論でき充実した時間を過ごすことができました。

もうすぐ医師となりますが、今まで学んだことを生かしていきます。

京都と徳島 両方の活動で学びと交流

山野美空 徳島大学2年生

こんにちは、京都民医連奨学生で徳島大学医学部医学科2年生の山野美空です。京都市出身で、京都民医連の医師体験や模擬面接会などを経て徳島大学への進学が決まり、奨学生になりました。

私が民医連の奨学生になって良かったことは、京都・徳島両方の民医連の活動に参加できるので、実習やフィールドワークの機会が多いことと、先輩の声を聞けたことです。

京都では年に一回は病院や診療所を訪れるようにしていて、オーダーメイド実習として、自分の興味のあることについて学ぶことができました。訪問診療を見学したり、保険診療について学べました。

徳島では主にフィールドワークとランチ会に参加しています。フィールドワークでは沖縄へ3拍4日の平和学習に行きました。現地の方、学生とも交流しながら学習し、学習後には観光もでき、大変学びになり濃密な時間を過ごすことができました。その他にも地域医療やミカン狩りフィールドワークを通して、徳島の医療や社会の実像を知ることができました。

地元を離れて進学する不安もありましたが、京都・徳島両方のイベント・交流を通じ、各地の先輩から多くのアドバイスをいただき、充実した学生生活を送っています。

「つどい」と実習 総診の視点とSDHを知った

医師 古市侑毅 初期研修1年目(滋賀医科大学卒)

僕は滋賀医科大学に進学した1年生から京都民医連の奨学生でした。当時はコロナ禍前で、つどいに3回くらい参加したかな。中でも印象に残っているのは、大阪で行われたつどいのFWです。医薬品の物流センターを見学しました。そこで、「この地域には他に産業もないので、代々この工場で働く。教育環境も良くなくて…」という話を聞いて、医療業界の裏ではこんな状況もあるんだと知りました。働く環境や地域性の影響など、産業医のような視点も身についたように思います。そんなつどいを通じて、SDHを理解できるようになりました。

つどいは事務局もちょっとだけやらせてもらって、一緒に学習会を作り上げることの醍醐味も少し味わえました。コロナ禍直撃でオンライン会議が多くて、対面派の僕としては悲しかったですが。今はもう対面に戻っていますので、医学生の皆さんもぜひ参加してみてください!

実習にも毎年何回も行きましたね。病院だけでなく、診療所、訪問診療、訪問看護…薬局にも行きました。特に印象に残っているのは訪問系です。こんなひどい環境で生活しているのか、という人から立派なお宅に住んでいる人まで、生活背景の多様さと格差を実感しました。これは医師だけでは解決できない、多職種のケア、看護が必要なんだ、と。何より、実際にお宅に伺ってみることの大切さを知りました。

その経験は今の初期研修の中でも生きています。難しい患者さんがいて、SWさんから「自宅訪問行きましょう。」と提案された時、必要性と大切さがすんなり理解できた。実際に行くと家の中の環境が劣悪で、生活が破綻しているのが見て取れた。これはそのまま退院させてはだめだ、と。研修で大学病院に伺った際、他の病院の研修医から「総合診療でも患者宅訪問はしなかった」と聞いて、民医連ならではの取り組みなんだな、と実感しました。

SDHは総合診療医を目指す人には必須だし、他の科に進む人にもぜひ身に付けて欲しいと思います。自分は産婦人科志望ですが、総診的な見方やSDHの観点を持った医師になりたいと思っています。