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〜新米 双子のママ外科研修日記〜
私は現在外科医6年目です。もともと小児外科医を目指していましたが、結婚・妊娠・出産・育児の過程で自分を取りまく環境も大きく変わってきました。今は1歳4ヵ月になる双子の息子たちに支えられながら、一般外科、特に先々専門とする呼吸器外科領域に力を入れ研修に励んでいます。
業務はフルタイム勤務。基本は月・木が手術日で週により水・金に手術が入ることも多々あります。現在私は金曜の救急外来当番を担当し、それ以外の時間帯は病棟担当です。当院の外科研修はとても充実しており、幅広い基礎力をつけることはもちろんのこと、さらに本人の希望する進路も考慮してもらった研修プランを立てることができます。 男性の方も女性の方も大歓迎です。当院の外科は雰囲気がよく、とても働きやすいと思います。二人の子供を抱えて現に私が生き生き研修をしていることからも容易に想像できるかと思います。 外科に女性医師が少ないですが、外科を少しでも考えている女性医師の方々、諦めることはありません。女性だからこそ患者さんらに喜ばれる領域もあると思います。乳腺科だったり、肛門科だったり、「女性の先生だったら気軽に行けるのに…」と患者さんが悩まれていることもあるかもしれません。ただし、私が目指そうとしているのは前にも触れた呼吸器外科ですが…
仕事と育児との両立に不安を感じられている方はたくさんいらっしゃると思います。今の時代は両立が可能な時代、評価される時代になってきたと言われることもありますが、実際、そんな簡単、甘いものではありません。
私がかつて医学生、研修医のときには上の女性医師の方々が出産・育児を機会に離職されるのを見て、「せっかく医者になったのに、なぜそうもすぐに辞めてしまうのか」とよく思っていなかったときもあります。しかし、自分がその立場になった今、両立の難しさを痛感し、先の先生方が辞めざるを得なかった状況が少しは想像できるようになりました。
両立はいろんな方からの協力、家族からの理解なくしてはありえないのが現状です。
私の場合、実家は長崎で両親の協力はなかなか得られない状況です。今子供たちが入所している保育所は38℃以上になると預かってもらえません。手術日の朝早くに子供たちを預けに行って、急に発熱しているから保育が無理ですとその場で言われることもよくあります。自分が手術を担当している場合、仕事も休めない(まわりの外科の先生方は無理しないで、休んでいいよ、と言ってくださっているのに、私が頑固に出勤していくのも事実)、とっさに子供の預け先を探す余裕もないというときには医局事務の方々に無理にお願いして、子供たちを医局でみてもらっていることもあります。手術を終え医局に戻ってきたとき、子供たちがソファーでぐったり寝ているのを見たり、職員の方々があやしてくださっているのを見るたびに、自分がやりたいことをするために子供たちやたくさんの人らに迷惑をかけているのではないかと悩むことがあります。
「両立」と今までこの言葉をつかってきましたが、実際は常に仕事、育児のどちらも中途半端な気持ちでいます。子供がいると独身のような身軽さがなくなり、急いで病院へ患者さんの状態を診に行きたくても行けないこともあります。外科医としてやっていくにあたり、術前・術後をしっかり診ることができなければ、続けていく資格はないと思っています。それに常日ごろから勉強もしていかなくてはいけません。患者さん、子供たちに負担をかけないように試行錯誤しているところです。弱気になったときにはよくまわりの職員の方に相談にのってもらい困難を乗り切っています。
「育児のたいへんな時期はそのときそのときみんなで協力して。お互い様だから。」という言葉は女性職員が多いところだと当てはまりますが、男性が多い科だと「お互い様」という状況にはなりにくいでしょうし、女性の権利が考慮されていない職場だと肩身が狭い思いをさせられることがあるかと思います。
当院は全体的に両立をサポートしようという動きが強いですし、私が所属する外科の先生方はみなさんとても協力的でこの先生方のサポートなくして両立はありえないと毎日感謝しています。子供をもつと、仕事中に保育所から「子供さんが熱を出したので、すぐに迎えに来てください」という電話もときどきかかってきます。「お子さん迎えに行ってあげて。ぼくらがやっとくし。」と私が自分から頼みにくいと思う前に声をかけてくれます。外科はチームで動いていますので、一人が動けなくなっても周囲でカバーするという手厚い体制が整っています。
京都民医連中央病院に来て医師生活を元気に送ることができています。
長い人生の中で育児がたいへんな時期はそうないのでしょうが、医師としてスキルアップをする時期と重なってしまうこと、愛するわが子への悪影響、家族の理解を得られないなど様々な理由から、パート勤務、離職の道を選択される方がいるでしょう。それぞれの目指すところ、得られるサポートにも大きな差がありますから、他人の経験はあてにならないということもあります。かく言う私も今後自分がどうなるのか分かりません。自分が好きな道を突き進んでいくにしても患者さんには自分が女性だから子持ちだからということで迷惑をかけることなく元気に退院してほしいと思いますし、我が子たちには寂しい思いをさせずにのびのび育ってほしいと思います。
研修先、志望する科、仕事の継続などを悩まれている方々、悩んで動かないでいるよりはまずは行動してみてください。意外とできることが見つかるかもしれません。できないときにはそのとき方向転換したらいいだけです。今のうちに長い先のことまで考えても分からないものです。
育児を機会に離職されている方、大丈夫です。すぐに復帰できます。私は1年仕事を離れて復帰した直後に「喉頭鏡」や「コッヘル」という言葉が口に出て来ないこと、まわりの職員の方々との医療会話、患者さんとの会話のペースに付いていけないことに焦りを感じましたが、そんなのもいっとき、すぐに慣れます。心配無用です。
まずはとりあえずみなさん、飛び込んできてください。飛び込んでいってください。
見学、研修、お待ちしております。
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